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私が社長に?!

「町田新産業創造センター」編

【はじめてを始める#001】

今回取材した「新産業創造センター」は、小田急町田駅から徒歩5分ほどにあり、
「事業者への多面的支援を通じて全国で活躍できる企業の創出」
を目指している、行政と金融機関、商工会議所が一体となってビジネスを支援する施設ということだ。


施設では、起業したい人・してる人に活動拠点が提供され、
その活動に役立つサポート情報やアドバイス等を受けながら、
自分のペースでビジネスを進めることができるというところである。

具体的には、

  1. 365日24時間使える個室やブースを事務所(登記が可能)として提供
  2. 他の仲間との交流会等、セミナーや勉強会の実施
  3. これらを通じてキーマンとの出会いや意見交換の機会を創出

他にも色々なサービスがあるが割愛させて頂く。
※なお詳細の情報は同センターのHP(後述)をご参照頂きたい。


さて同センター専務の佐々木氏にお話をお伺いした。
佐々木氏は事業の立ち上げに深く関わられた人物で、
起業家のために町田ならではの支援のあり方や仕組みづくりに注力している。


写真提供:Machida Business Development Agency

3年ほど前に


町田市では行政主導でインキュベーション(起業に関する支援を行う)の具現化が検討されていた。
当時、八千代銀行に在職中であった佐々木氏がそのことを知り、興味を感じたのが始まりだった。

まず佐々木氏は、どういった起業家に向けて特徴や魅力のある施設を目指すべきかについて、自らの考えを深めることに集中した。
また、知り合いが社長のSIC(さがみはら産業創造センター)へ視察を市に働きかけるなど、具現化へのムードづくりといったことへも気を配る。

一方、問題もあった。
インキュベーションの具現化に関し市役所の移転に伴う残された庁舎建物の利用が条件とされていたが、これでは重量級の設備や薬剤等を使用するようなモノづくりを対象にできない。
普通、モノづくり系のインキュベーション施設においては、BtoB産業(企業向けに設備や技術等を供給する)を対象にしていて、入居者を募っている。
どうするのか?
あらためてコンセプトについてコンサルタントも招いて考えた。そしてこの問題を受け入れた。
つまりBtoB産業というよりも、BtoC産業を中心とした個人向けの商売を行う起業家※を主な対象としたのだ。
これは現在の数あるインキュベーション施設とは異なるユニークな存在と言える。
※現状はBtoC産業やBtoB産業といった産業区分に拘わらず対象にしているとのこと。

こうして2013年1月29日に「町田新産業創造センター」が設立された。
佐々木氏は八千代銀行を退職し、同センターの役員に就いた。
入居者が集まらなかったどうしようかと不安だった毎日を振り返る。
同氏にとっての「はじめてを始める」は、入居者が0のところから、市が始めた事業の経営に参画したことである。

決意に至ったその思いはシンプルであった。

「町田の新しいブランディングに関わりたい」

元銀行員の佐々木氏にとって、昨今の不況は深刻なテーマであった。
顧客との関わりの中で、商都として内外から評価される町田の強さを感じる一方で、さらなる発展には新しい産業の力も必要だと考えていた。
その思いは社名にもなっている。

不安をよそに同センター入居希望者が現れ始める。佐々木氏は一人一人との面接にこだわった。
何かを期待し、わざわざ来てくれた人に感謝したい気持ちからだった。
すぐに幅広い分野のプロが集まっていることに驚かされる。

「ビジネスになりそうな、他にはないものがたくさんある」

と気持ちが高揚した。

起業家がセンターに入居した後には、一人一人の持ち味が分かるにつれて同センターの未来も見えるようになった。

「一つの会社のように機能して行く集団」

佐々木氏は、このことを「理想」と穏やかに言うが、その目は真剣であった。
この理想は起業家にとって経営を軌道に乗せる一手になるのは間違いない。同センターの魅力にもなる。

現在、製造業者は1社のみ。他は基礎技術の研究や開発あるいは製造設備をもたずにモノやサービスを自社で企画販売している。
みなオリジナルなコンセプトに基づき、自らの知恵や技術によって具現化し、ビジネスを行っている。

顧客は違うし、向き合う市場の違いこそあるが、こうした背景をもった人は、優秀なプロデューサーであり、ディレクターと言えないか。
ならば市場ニーズを捉えた時の行動力は間違いない。

もしも入居者の一人一人が有機的に結びつき、世の中のニーズについても問題化することになれば、
その時は、本当に佐々木氏が言う「理想」が起きるに違いない。

さらなる起業家支援のための新しい枠組みや仕組みも考えていて、順次提供していくというので今後の動向にも注目だ。

最後に佐々木氏に読者の方に一言お願いすると

「夢と経営の実現を考えましょう。」

これから起業を考える人、起業して間もない人は、「町田新産業創造センター」に出向いてみてはいかがだろう。


以上、第一回は「町田新産業創造センター」の佐々木専務にお話を伺った。
お友達紹介ということで、次回は同センター1階にある「ペダラーダ」三井社長をご紹介頂いた。
こちらのお店はビジネスパーソンのための新しいカフェ・レストランということだ。

(了)

文責:ヨシダプロモート
2014年11月10日取材

■アクセス

称号
株式会社町田新産業創造センター
MBDA(Machida Business Development Agency)
住所
〒194-0021 東京都町田市中町一丁目4番2号
電話番号
042-850-8525
FAX番号
042-850-9022
URL
メールアドレス
edesk@mbda.jp



東京都町田市地域編集長 Hiro